投稿者: MaydoLLC

  • Maydo Journal #004

    Maydo Journal #004

    事業や活動をしていると、必ず立ち止まる瞬間があります。
    「どうして自分はこれをやっているんだろう?」
    「これって意味があるんだろうか?」

    最初にスタートを切るときは、勢いと熱意で進めます。新しい挑戦にワクワクして、夜遅くまで作業をしても疲れを感じない。まわりから応援の声も集まって、どんどん加速していく。

    でも数か月、あるいは数年が経つと、その熱は少しずつ落ち着いていきます。最初のような反応は得られなくなる。努力に見合う成果が見えず、焦りや不安が大きくなる。やっている意味はあるのだろうか、と思ってしまう。

    僕自身も、そんな経験を何度もしてきました。
    何かを「始める」よりも、実は「続ける」ことの方がずっと難しい。続けられない理由はたくさんありますが、その一つに「支えてくれる拠り所がない」ということがあると思います。

    みなさん、こんにちは。ブランディングカンパニーMaydoの森下です。僕の記事を初めて見ていただいた方は、ぜひnoteの自己紹介もご覧になってください!

    https://note.com/embed/notes/n44dd574f49ba

    目次

    1. 「意味」があるから続けられる
    2. ブランドは「続ける理由」を思い出させる
    3. 豊岡で気づいた「続けること」の意味
    4. ブランドは「物語」を与えてくれる
    5. あなたの「続ける理由」は何ですか?

    「意味」があるから続けられる


    では、人はなぜ続けられるのか。
    それは、「意味」があるからです。

    たとえば、売上や数字だけを目的にした取り組みは、思ったように成果が出ないとすぐに気持ちが折れてしまいます。でも「なぜこの事業をやっているのか」「誰にとってどんな価値を生みたいのか」という“意味”が腹落ちしていると、不思議と続けられる。

    意味があるから、工夫を重ねる力が出る。
    意味があるから、時間がかかってもあきらめずに歩ける。

    この「意味」を目に見える形にしてくれるのが、ブランドです。


    ブランドは「続ける理由」を思い出させる


    ブランドという言葉を聞くと、多くの人は「見せ方」「デザイン」「ロゴや広告」をイメージします。もちろんそれも大切な要素ですが、本質ではありません。

    ブランドの本質とは、「なぜ続けるのか」を思い出させるものです。

    ある飲食店の話を紹介します。
    地元の野菜を使った料理を出している小さなカフェ。はじめは「オシャレで美味しい」とSNSで話題になったのですが、数か月すると客足が落ち着いてしまったそうです。そこでオーナーは、自分たちの原点を振り返りました。

    「自分がやりたいのは“映える料理”ではなく、農家さんの思いを届けることだったはず」

    その気づきから、お店は単なる飲食の場ではなく「地元農家とお客さんがつながる場所」として打ち出し直しました。店内には農家さんの顔写真やコメントを掲示し、メニューには野菜が育った背景を書き添えるように。すると常連が増え、地域の人にも応援される存在になった。

    変わったのは味ではなく、「意味の伝え方」でした。ブランドを見直したからこそ、「なぜ続けるのか」をお客さんと共有できたんです。


    豊岡で気づいた「続けること」の意味


    僕が拠点にしている兵庫県豊岡市は、鞄の産地として知られています。
    ここには100年以上、技術を受け継いできた職人の方々がいます。

    ある工房の職人さんが、こう言っていました。
    「うちは派手な広告もないし、作っているのは昔ながらの鞄。でも“うちの鞄を使って卒業式に出た”とか、“親子で代々使っている”っていう話を聞くとね、やっぱり続けてきてよかったと思うんです」

    この言葉を聞いて、胸が熱くなりました。
    技術を守り続ける理由は「儲かるから」ではなく、「人の節目に寄り添えるから」。意味があるからこそ、時代が変わってもしぶとく続けられるのです。

    また、地方の暮らしそのものも「続けること」と向き合っています。四季の行事、地域の祭り、田んぼの手入れ。効率的ではないけれど、意味があるから繰り返される。その積み重ねが、町の文化をつくってきました。

    ブランドも同じ。
    一瞬の華やかさではなく、意味を支えにして積み重ねていく営み。


    ブランドは「物語」を与えてくれる

    ブランドを一言で言うなら、「物語」だと思います。

    単なる商品やサービスではなく、「なぜそれをやるのか」「どんな価値を届けたいのか」という物語。それを持っているかどうかで、活動の強さはまったく変わります。

    売上やトレンドは移り変わります。でも、物語は残ります。
    そして物語があるから、人はついてきてくれるし、自分自身も立ち戻れる。

    だからこそ、ブランディングの本質は「格好よく見せること」ではなく、「自分たちがなぜ続けるのかを見つめ直すこと」だと僕は考えています。


    あなたの「続ける理由」は何ですか?


    今、あなたが続けていることには、どんな意味がありますか?
    成果や効率のことを一度横に置いてみて、心の奥にある「なぜ」を見直してみてほしい。

    その「なぜ」こそが、あなたのブランドの種になる。
    そしてきっと、しんどい時にも背中を押してくれる。

    ブランドは、あなたに「続ける理由」をくれるものだから。

  • Maydo Journal #003

    Maydo Journal #003

    がんばっているのに、なぜか反応がない。
    意味のあることをしているはずなのに、届いていない気がする。
    応援されたいのに、空回りしているように感じる。

    そんな相談が、最近よく届きます。
    特に、地方で小さく真面目に活動をしている人ほど、この“違和感”にぶつかっている気がします。

    皆さんこんにちは。GWで完全に日程感覚が狂っていた森下です。
    初めて覗いていただいた方は、ぜひnoteの自己紹介をご覧になって下さい。

    https://note.com/embed/notes/n44dd574f49ba

    さて、今日のテーマはこちら。

    「意味があること」=「伝わること」ではない

    これは、少し切ない現実ですが、
    どれだけ意味があることでも、それだけでは伝わりません。
    モノづくりの世界でも同じく。
    良いものができたと思うがそれだけでは、売れない。

    むしろ「意味があることだから伝えられるはず」と信じている人ほど、
    うまく言葉にできなかったり、
    何をどう伝えればいいのかわからなくなっていたりする。

    その結果、発信が止まったり、誰にも届かないまま続けることになって、
    疲れてしまう。そんな場面を、僕は何度も見てきました。
    事実、SNSでブランド認知を始めた時は、体力のあるブランドさんを
    羨ましくも感じていました。



    「意味」には、構造が必要だ。

    じゃあ、どうすれば伝わるのか?

    ぼくはこの問いに向き合いながら、いつも思うのです。
    意味には“構造”が必要だ、と。

    たとえば、
    • なぜこの活動をしているのか?(背景の“なぜ”)
    • 誰にとって、どんな変化をもたらすのか?(関係性の“誰と”)
    • どんな言葉で、どうやって伝えるのか?(言語と体験)

    これらがバラバラなままでは、せっかくの「意味」も届きません。
    想いや背景があるのに、“伝わる型”になっていない。
    そこに、伝わらなさの正体があります。



    ブランドは、意味を「構造化」する営み

    Maydoでは、ブランディングという営みを
    「意味を社会と共有するための“構造化”」と定義しています。

    特別なことをしていなくても、
    ていねいに積み重ねてきた日々や、譲れない価値観のなかにこそ、
    ブランドの種があります。

    でも、それをそのまま伝えても、届きにくい。
    だからこそ、「問い」に変え、言葉に変え、体験に設計するという工程が必要になるのです。あなたとお客様との間の文脈作りです。

    意味 → 問い → 言葉 → 体験へ。
    この流れをつくることが、ブランディングの本質だとぼくは思っています。



    豊岡で見つけた「意味の設計」

    最近、ある地域の事業者さんと関わる中で、
    まさにこの“意味の構造化”をお手伝いする場面がありました。

    その方は、丁寧に仕事をしていて、想いも強く、地域にも愛されている。
    でも、うまく発信できていなかった。

    ヒアリングを重ねてみると、「自分たちが当たり前だと思っていたこと」が、
    実は他の人にとっては特別なことだったり、
    何気なく使っていた言葉が、ズレた伝わり方をしていたり。
    思いの強さがあるあまり、他の可能性をはいじょしていたり。

    意味は、いつもそこにあるんです。
    ただ、“届け方”を少しだけ設計し直すだけで、景色が変わる。



    伝わらないのは、あなたのせいじゃない。

    最後に、ひとつだけ伝えたいことがあります。
    それは、伝わらないのは、あなたのせいじゃないということ。

    ただ、あなたの中にある“意味”が、
    まだちゃんと整理されていないだけかもしれない。
    “問い”に変わっていないだけかもしれない。

    あなたの活動にも、必ず意味はある。
    それを、どうやって届けるか。
    一緒に考えていけたら嬉しいです。

    兵庫県の片隅から、僕も発信し続けます。