会社を立ち上げる、と聞くと、多くの人は東京や大阪といった都市部をイメージするかもしれません。情報が集まり、人材も多く、チャンスも豊富。実際、僕もかつては「起業=都市」というイメージを持っていました。
でも、僕が会社をつくる場所に選んだのは、兵庫県の豊岡という小さな地方都市でした。
「なぜわざわざ地方で?」と聞かれることも少なくありません。今日はそのリアルについて、少し書いてみたいと思います。
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目次
- 地方での起業にある「現実」
- それでも「やってよかった」と思える瞬間
- 地方だからこそ「ブランドづくり」が生きる
- 地方から挑戦するということ
地方での起業にある「現実」
まず正直に言えば、地方で会社を立ち上げるのは簡単なことではありません。というのは、みなさん想像の範疇ですよね(苦笑)
都市部と比べると、人材の層は厚くありません。専門的なスキルを持つ人と出会う機会も限られています。イベントやビジネス交流会に出ればすぐにつながりが広がる東京とは違い、一つひとつの出会いを自分でつないでいくしかない。
また、スピード感も異なります。都市部なら数週間で動くプロジェクトも、地方では数ヶ月かかることもある。季節の行事や地域のリズムが生活の中に組み込まれているので、「合理的に効率よく」という発想だけでは動けないことも多いのです。
これらは、地方で起業すると必ず直面する「現実」だと思います。
それでも「やってよかった」と思える瞬間
ただ、地方で会社を立ち上げて本当によかったと感じる瞬間も、同じくらいたくさんあります。
たとえば、近所のお店で「この前の記事読んだよ。応援してるからね」と声をかけてもらえること。都市部ではなかなか感じにくい、人と人との距離の近さがあります。
また、地域のイベントや行事に関わる中で「一緒にやろう」と自然に声をかけてもらえる。まだ始めたばかりの会社なのに、地域の一員として受け入れてもらえる。小さな声がそのまま大切な声として届く環境があるんです。
これは、都市部では得がたい実感です。地方では、一つの取り組みが町全体に波及する可能性がある。小さなアクションが社会に与える影響の大きさに、日々驚かされています。
地方だからこそ「ブランドづくり」が生きる
僕が地方で会社を立ち上げようと思えたのは、「ブランドづくり」を軸にしたいと思ったからです。
ブランドとは、格好良いデザインや広告をつくることではなく、「自分たちの意味を言葉や形にして、社会に届けること」です。
地方には、すでに豊かな“意味”が存在しています。
職人が何十年も守ってきた技術。地元に根づいた食文化。季節の風景と一緒に受け継がれてきた祭り。都市部では探しても見つからないような、深い物語がたくさんある。
ただ、その意味が「外の人」に伝わりにくいことも多い。ここで必要になるのがブランドづくりです。
内側にある想いを外の言葉に翻訳していく。そのプロセスこそが、地方にこそ求められていることだと思います。
豊岡で会社を立ち上げると決めたとき、僕は「ここでなら意味を形にできる」と直感しました。都市では当たり前すぎて埋もれてしまう物語が、地方ではひとつひとつ大切に扱われ、社会に届け直す余地がある。
地方から挑戦するということ
もちろん、地方で起業するのは勇気がいります。便利さや効率を手放す部分もあるし、都市部ほどのスピード感も得られない。
でも、地方には「一緒にやろう」と背中を押してくれる人たちがいる。続けていく理由をくれる物語がある。そして、社会にまだ翻訳されていない価値が眠っている。
僕にとって会社を立ち上げることは、「地方の意味を社会につなぐ挑戦」そのものです。
これから先、どれだけ困難があっても、地方で挑戦するリアルを自分の言葉で語り続けたい。そう思っています。
あなたにとって「会社を立ち上げる場所」を選ぶとしたら、どこでしょうか?
そして、そこでどんな物語を翻訳していきたいですか?
素敵な週末をおすごしください。


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